婦人科 Gynecology

漢方療法

漢方医学では、身体は五臓六腑(五臓:肺・心・脾・腎・肝、 六腑:膀胱・胆・胃・小腸・三焦・大腸)からなっていて、そこに体内の『気』(生命活動の源)・『血』(生命活動を活性化させる)・『水』(防御反応に関与)という3つの要素が加わりバランスよく働くことで心身の活動が営まれると考えられています。

漢方療法は、体調不良や不快な症状がこれら「五臓六腑の不調」と「気・血・水」のアンバランスによってもたらされるととらえ、「病気」に目を向けるのではなく、あくまでこのアンバランスを正し、本来の体調に戻していくことを目標としています。
また、漢方薬は元々1つの生薬が2つ以上の薬効を持ち合わせており、いくつかの生薬を混ぜ合わせた「方剤」にすることで、個々の生薬より強い作用や新しい作用を生み出したり、副作用を弱めたりしています。

妊娠や妊娠にまつわる異常には、「腎」と「血」に関する漢方薬がよく使われます。

「水毒」(体内に余分な水分が留まり悪さをする)があるなら【当帰芍薬散】、血の滞り「瘀血」および子宮筋腫や子宮内膜症があるなら【桂枝茯苓丸】、いらいらやストレスがあるなら【加味逍遙散】、冷えが強いなら【温経湯】をよく使用します。

女性ホルモンの変化は身体にさまざまに作用しますので、これらの漢方薬を、月経期、卵胞期(低温期)、黄体期(高温期)という月経のリズムに合わせて内服する「周期療法」をおこない、体調に合わせて飲み分けるのも有効です。

体にやさしく副作用も少ない漢方は、長く継続服用できるのもメリットなので、自己中断せず飲み続ければかならず体質改善を実感していただけると思います。

当院では、不妊症をはじめ月経困難症・習慣性流産・更年期障害などの治療に効果を上げています。

pagetop